息切れ、息苦しさなどの症状は呼吸困難とほぼ同じ意味で、呼吸がしにくい、呼吸をしているという努力感があるような症状の総称です。一方、呼吸不全とは呼吸の何らかの障害があり、酸素と二酸化炭素のガス交換が障害されている状態のことで、動脈血酸素分圧PaO2が60Torr 以下の状態と医学的に定義されています。息苦しさ、息切れを来す疾患は多岐に渡ります。
まず大きく、循環器疾患、呼吸器疾患その他に分けることができます。循環器疾患として致死的な冠動脈疾患、心不全等を精査して除外することが重要です。次の可能性として呼吸器疾患として気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患があります。
当院での役割は息苦しさの原因が致死的疾患であるかどうかを心電図、レントゲン、酸素飽和度、採血などで判断し、必要であれば速やかに関連病院の循環器内科に救急搬送します。
それ以外であれば呼吸器疾患、内科疾患など原因精査を進めながら治療を開始します。
現在は新型コロナ感染症などでの息苦しさなども含まれますので発熱がある場合、呼吸苦が予想外に認められる方については保健所に連絡をして頂き、関連病院の感染症外来、発熱外来をご紹介する場合が多くなっておりますのでご了承下さい。